エッセイ6 人が選択を誤る時 LOVERS 恋人達

カードの中に聖書を見たとき、思いがけない世界が広がっていくことがあります。
面白いのはもちろん、それこそ神秘的としか言いようがありません。
例えば「恋人たち」。そこにはアダムとイブが、そして彼らを誘惑し、堕落させた蛇が描かれています。
カードの意味には「愛」「選択」などがありますが、それらを聖書から見てみましょう。
彼らはエデンという楽園を神により与えられ、そこで当然のように溢れるばかりの愛を受けていました。神と彼らの間には、絶大なる信頼感がありました。
しかし、そこに蛇が現れ「神が食べたら死ぬと言った知恵の木の実を食べてもあなた方は死なない。

それどころか食べると神のように賢くなるのだ」などと言います。
まるで「神はあなた方をだましている」とでも言っているかのようです。
その後、イブはその実をとって食べてしまいますが、なぜ蛇のことをあっさり信じてしまったのか、その理由は残念ながらどこにも記されていません。

けれどそれは、愛の欠如故だったのではと私は考えています。
「神さまを信じていたのに、それなのに、神さまは私たちをだましてたんだわ。」
そんなイブの声が聞こえてきそうです。

私たちが選択を誤るのは真実の愛を見失ったときなのかもしれません。