エッセイ7 今ここに全力投球 CHARIOT 戦車

先日、禅の本の中に「只管打座」(しかんたざ)の言葉を見つけました。
「只管」はひたすら、ただ一筋にひとつのことに専念すること。
「打座」は座ること。

座禅をすることで、意味は悟りや結果を求めるのではなく、ただひたすらに座ること。
「いま ここ」に全力投球すること。

タロットカードで言ったら「戦車」かなと思いました。
戦車は走るカードなので座る只管打座とは違いますが、「今ここに全力投球」や「結果を求めるのではなく」の意味に共通点を見てとれます。

このカードは「今ここに情熱を燃やせ」と物語ります。
そこには過去の執着もなければ、未来への恐れも必要ありません。より早いスピードが求められる時でもあり、それらがあるとスピードが落ちてしまうのです。

このカードが出たなら、とにかく「今この瞬間」と「自分が今どうしたいか」に集中し、情熱を燃やすこと。忘れてはいけないのは、神は未来を決して見せてはくれませんが「進むな」とは言っていません。

このまま進んで勝てるだろうか?
進み方はこれで良いのだろうか?
このまま走る意味があるのだろうか?

とかく私たちはこのように考えがちですが、ときにはこのカードが言うように、過去も未来もなく、情熱をひたすら燃やして「今」と「自分」に集中してみては?脇目も振らず走るだけ走ってみたら、思いがけず、そこに静かな「悟り」を得ることがあるかもしれません。