「頭でわかっているのに行動できない」というお話を、きっと私たちはたくさん知っています。
「神から禁じられた知恵の木の実を食べた。イブ」
「開けてはいけない。箱開けたパンドラ」
「羽織の最中は姿を見てはならないと、夕鶴に言われたのに覗いてしまった与ひょう」などなど。
頭でわかっているように行動できないのは、人間の性なのかもしれません。
きっと失敗してしまった彼らもその寸前まで「ダメダメ!やってはダメ」と思ったでしょう。
けれど、それを上回る「欲求」がありました。
「ダメだとわかってるけど、この欲求を止められない」と。
力のカードでは、その「欲求」がライオンの姿で描かれています。
花を飾った白いドレスの女性が手なずけているライオンはまるで飼い猫のようにも見えますが、本来の姿は百獣の王として名高い野生のライオンです。
このカードでは、人の欲求というものは、百獣の王であるライオンのように手強いものであり、そうそう手なずけられるものではないことを意味しますが、
同時にそんな欲求を持ち、あるがままの自分をコントロールすることこそが、本当の「力」であると教えてくれます。
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