妙恭帖 第二十九帖
「神さまは、なぜ恥をかかせるの?」
友人K子の話です。
20代の頃、同級生が若くして亡くなりました。
忙しい中、K子はお香典を用意して、お葬式へ向かったそうです。
受付には同級生の男子がいました。
それほど仲が良かったわけでもないので、
軽く挨拶をして、お香典を渡しました。
すると後ろから、
「K子?」
と呼ばれました。
何?と思って振り返ると、
「おまえ、中身入ってないぞ」
なんとK子。
お香典の中身を入れ忘れていたのです。
その声は、きっと周りの参列者にも聞こえていたことでしょう。
K子は後になって、
「人生で、あんなに恥ずかしかったことはない」
と話していました。
穴があったら入りたい。
そんな経験、ありますよね。
今日のタロットは愚者です。
愚者は、
「人は、完璧じゃなくていい」
と教えてくれるカードです。
わたしは授業で、
21番の「世界」でひとつの完成を迎えたあと、
再び「愚者」が現れるとお話ししています。
もちろん愚者を最初に置く考え方もありますが、
わたしはこの並びが好きです。
人は何かを成し遂げても、
完璧にはなりません。
また間違えるし、
失敗もするし、
とんでもない忘れ物だってします。
でも、それでいい。
完璧ではないからこそ、
まだまだ成長できる。
未完成だからこそ、人には無限の伸びしろがあるのです。
恥ずかしい思いをした日。
神さまはあなたを笑っているのではなく、
「そんなに完璧にならなくていいよ」
と教えてくれているのかもしれませんね。




















