妙恭帖 第三十四帖
「神さまは、なぜ選ばせるの?」
「僕は結婚したい女性が6人いてね。妙恭ちゃんはトップ2なんだよ。
将来は、その6人の大好きな人たちと一緒に暮らすのが夢なんだ」
Sさんに出会ったのは、わたしが20代後半の頃。
彼はフリーのカメラマンで、趣味で小説を書いたり、自作映画を作ったりしていました。
「6人の女性から1人を選んで結婚するなんて、僕にはできない。選択できないよ」
とんでもない話ですが、
わたしは、
「こんな考えの人がいるんだ! おもしろい!」
と思っていました。
トップ2であることも、笑いのネタにしていました。
と、まあ。
これは「選択を放棄した、ある男性」のお話です(笑)。
でも私たちの人生は、選択の連続です。
どちらを選んでも、何かを失うことがあります。
仕事を取れば、家族との時間が減る。
こちらへ進めば、あちらは諦めなければならない。
誰かを選べば、誰かには「ごめんなさい」と言わなければならない。
人生には時々、
「神さま、どっちが正解なの?」
と聞きたくなるような二択がやってきます。
なぜ神さまは、正解を教えずに、私たちに選ばせるのでしょう?
でも、もし神さまが毎回、
「右へ行きなさい」
「この人と結婚しなさい」
「この仕事を選びなさい」
と答えを教えてくださったら。
人生は楽かもしれません。
でも、それって楽しい?
きっとそれは、人間の人生ではなくて、
ロボットの人生です。
もしかすると神さまは、正解を当ててほしいのではなく、
「あなたは、どう生きたいのですか?」
と問いかけているのかもしれません。
今日のタロットは「恋人たち」。
恋人たちは、恋愛だけのカードではありません。
「選択」のカードでもあります。
しかも、このカードが問いかけているのは、
「どちらがお得?」
「どちらなら失敗しない?」
ではなく、
「私は、何を大切にして生きるのか」
という選択です。
『タロットは神さまが、私たちの魂を自由にするために与えてくださったバイブルです』
魂の自由とは、何でも好き勝手にすることではなく、
自分で選び、その選択を自分の人生として引き受けることなのかもしれません。
さてさて。
そのSさんですが、
ある時、それまで最下位だった女の子が急上昇。
あっという間に、その女性と結婚しました。
なんだ。
選択するときは、選択できるんじゃない。
これまた、わたしのネタになってしまったSさんなのでした(笑)。
今はどこで、何してるのかな?






















