妙恭帖 第十四帖
「あの時こうしていれば」という鎖
今日の魂の鎖は、
「過去への後悔」です。
わたしがRさんとご縁をいただいたのは、もう30年ほど前のことです。
彼はキリスト教の神父様でした。
その日、教会では3人の女性がボランティアで草むしりをしていました。
Rさんが
「ほどほどでいいぞー」
と声をかけると、
「はーい。ほどほどに適当にやりまーす!」
と明るい返事が返ってきます。
その様子を見ながらRさんは、わたしにこう話してくださいました。
「彼女たちは、いつも一生懸命教会のために働いてくれているんですよ。」
そして、少し間を置いてから、静かに語り始めました。
「実はわたし、昔、とある新興宗教で幹部をしていたんです。」
その宗教はニュースでも耳にしたことがあり、わたしは驚きました。
Rさんは続けます。
「ここが自分の居場所だと信じて、一生懸命活動していました。
ところが、ある夜、亡くなった母が夢に出てきて、
『おまえ、何をやっている!』
とものすごい形相で怒ったんです。
飛び起きた瞬間、
『ここにいてはいけない』
と思いました。
すぐにそこを離れたものの、行くあてもありませんでした。
たどり着いたのが、この教会だったんです。
そのご縁で、今があります。」
そして、少し寂しそうな表情でこう言いました。
「わたしは間違っていました。
母に叱られなかったら、今でも間違った道へ多くの人を導いていたかもしれません。
実は、外で草むしりをしている彼女たちも、その宗教から逃げてきた人たちなんです。
今は、そのような方々の支援をしています。
でも……
今もまだ、あそこにいる人たちがいると思うと……。」
その言葉には、
過去への深い後悔がにじんでいました。
私たちも、
過去は変えられないと分かっているのに、
「あの時こうしていれば」
「あんなことを言わなければ」
と、何度も心の中でやり直そうとしてしまいます。
でも、本当に私たちを縛っているのは、
過去そのものではなく、
「過去を許せない自分」
なのかもしれません。
神さまは、
私たちを過去に住まわせるためではなく、
今日を生きるために命を与えてくださいました。
後悔は反省にはなります。
でも、
後悔の中に住み続ける必要はありません。
今日の一枚は
「死神」です。
多くの方は怖いカードだと思われますが、
わたしはこのカードを見るたびに、
「新しい始まり」
を感じます。
神さまは、
古い自分を終わらせ、
新しい一歩を踏み出す勇気を与えてくださる。
そんなメッセージを受け取ります。
「昨日は変えられない。
でも、今日のあなたは変えられる。」
タロットは未来を当てる道具ではありません。
タロットは神さまが、私たちの魂を自由にするために与えてくださったバイブルです。
「死神」のカードは、
何かを失うことではなく、
過去への執着を手放し、新しい自分として歩き始めることを教えてくれます。
もし神さまが、
「もう、その荷物を降ろしていいですよ。」
と声をかけてくださったら、
あなたは、
何を手放しますか。
今日が、あなたの新しい人生の一日目になりますように。




















